何かの存在を相手に実感させるのがプレゼン

以前紹介したプレゼンの方法や心得について書かれた本と同じ著者の本です。今回もプレゼンの本。個人的には、「プレゼンの技法について書かれた決定版」だと思っています。

内容は、プレゼンに必要なことすべてが書かれているといっていいと思います。プレゼンする上で聞き手ついて考えることからはじまり、ストーリーの組み立て方、事前準備、資料づくり、スライドづくり、発表資料の作り方、発表のテクニックと、プレゼン全体について触れています。
面白いのは、著者がいままでプレゼンを添削した経験を生かしている点です。「典型的に分かりにくいプレゼンはこれだっ!」と、反面教師になるようなプレゼンの注意点を1つの章を使って説明しています。こういう内容は他の本にはあまり見受けられないのではないでしょうか。

本書の見た目の構成ですが、読者の興味をひきつつ、内容がわかりやすくなるように、基本的は見開き1ページで1つのトピックを扱っています。左側のページに文章、右側のページでマンガによる事例や図・画面の写真などで構成されています。一つ一つのトピックはあまり長くないですから、途中から読んでもいいし、自分にとって必要なところだけを読んでもいいと思います。

プレゼントは、相手に伝えたいことを伝え、それに従って相手に行動してもらうことです。本書では、あとがきに、"presentation"の語源の意味について触れていますが、何かを相手に実感してもらうには、きちんとした「技法」が必要であることを、本書を読んであらためて認識しました。