初年次教育と「実践日本語力」(つづき)

さっきの日記で『新聞で学力を伸ばす 切り取る、書く、話す (朝日新書)』を紹介しましたが、肝心の「実践日本語力」をトレーニングするための方法について中途半端にしか触れていませんでした。
レーニングのメニューは「スクラップ」と「プレゼン」の2本立てで、詳しくは次のようになります。

  • スクラップ
    • ステップ1:新聞記事をスクラップ
    • ステップ2:切り抜きをノートに貼りつける
  • プレゼン
    • ステップ3:切り抜いた記事の重要なポイントをまとめてコメントをつける
    • ステップ4:他の人にまとめたポイントやコメントを30秒でプレゼンする
    • ステップ5:プレゼンしたことを他の人とディスカッションする

実は、これと似たようなことを、ウェブページの制作関係の授業でやってました。ステップ1〜3までをもとにしたものですが、結構学生が熱心に取り組んでくれました。残念ながら、その授業はプレゼンやディスカッションはしませんでしたが、こういうトレーニングを繰り返しやれば、情報を選択し、まとめて、他者に伝えるという能力はずいぶん鍛えられるのではないでしょうか。

ちなみに、なぜ新聞を使うかというと、新聞の記事の文書構造や記事内容の具体性が実践日本語力に役立つだけでなく、社会性や他者性といった、自分だけの狭い世界に閉じこもっていては読み解くことができないという特徴があるからだそうです。なるほど、自分にとってわかりやすい(都合の良い)情報にしか触れていないというのは、なんかいびつな感じがしますね。