元祖はすごい

明日、正確にはあと数時間で4月になってしまいますが、昨日の記事で書いたように、4月からの授業で使う資料を探したり整理しています。
今しているのが、統計学の授業の最初の数回の授業で使う資料を探したり、内容を検討したりしています。とくに、1回目の授業ガイダンスで使う資料をあれこれ見ているのですが、「面白いな」と思ったのが、「鶏のトサカ」といわれるグラフです。

このグラフを作ったのは、あの「クリミアの天使」として有名なナイチンゲールです。看護学統計学の歴史を勉強した方は、よくご存知ですよね。あらためて書くと、ナイチンゲールは近代の専門的な看護教育の生みの親であり、近代統計学の発展に貢献した人物です。

そのナイチンゲールが、有名になったクリミア戦争の後に、なぜイギリス陸軍が大量の死者を出してしまったのかの原因を探り、戦地の軍営病院や衛生状態を改善するにはどうすればいいかをまとめるのに、統計学の手法とデータの可視化を駆使して報告としてまとめました。そこで使われたのが、「鳥のトサカ」といわれる、扇状のダイアグラムです。兵士の死因を「予防可能な伝染病」「外傷のような負傷」「その他」の3つに色分けして、扇状のエリアの大きさで要因ごとの大きさを月ごとに示したものです。
このグラフ、今見ても非常にわかりやすいグラフだと思います。「ScienceNews」では、そのダイアログが紹介されています。さらに、この記事の最後では、Flashを使ってダイアログをアニメーション化してみることができたり、従来の棒グラフで可視化することもできます。なお、このFlash自体は、「Understanding Uncertainty」というサイトのものを使っています。このサイトで「conxcomb」というキーワードでサイト内検索すると、この扇状のダイアグラムに関連するトピックを検索できます。

今回は、統計学の導入部分で使いたいと思っているわけなのですが、データの可視化としても興味深いです。データを理解しやすく伝えるということは非常に大事なことで、この1枚のグラフでそれが伝わってきます。この「すごさ」が学生に伝わると良いのですが、私の「腕」次第なんすよね。トホホ(汗)