データは分布を確認しながら分析するのが定石

来年度の統計関係の授業で使う教科書への採用は見送ったのですが、統計的なデータ処理の演習などに役立つ本を先日他の方に紹介しました。Excelの機能や関数を使った分析方法や例題による操作の説明が充実しています。Excelを使った統計学の入門書としては、今一番おススメかもしれません。

Excelで学ぶやさしい統計学

Excelで学ぶやさしい統計学

この本の内容は、出版時期が前後しますが、下の看護向けの統計学のテキストを一般的な統計学のテキストにして、Excelでの分析の例を詳しく追加したもののようです。下の本も今年度の授業ではかなり参考にさせていただきました。

統計解析なんかこわくない―データ整理から学会発表まで

統計解析なんかこわくない―データ整理から学会発表まで

本書の特徴は、グラフにできるデータはグラフにして可視化し、そこからデータの特徴をつかみながら、体験的に統計学のトピックを説明するという方法です。たとえば、BMIのようなデータを広い年代から集めたらどんな分布になるだろうか?また、LOTO6の当選数字の分布は?そういう具体的な事例をもとに、データの分布を把握するのに必要なグラフの作り方や、目的とデータに合った検定手法を具体的に説明しています。
この手の本では、数式がまったく出てこない場合もあるのですが、本書では説明上必要なところ(定義など)にはきちんと数式が書いてありますし、内容的にもほぼ過不足なく統計学の初歩で必要な内容をおさえてあると思います。

4月から卒業研究などで統計処理をしなければいけないような人、結構おススメです。自分で手を動かしながら、統計的な手法への理解が深まると思います。