読み書きの繰り返して、言語力と論理的思考力を養う
ときどき購入する「日経ビジネス アソシエ」に興味深い連載記事がありました。内定者研究のなかで、本を精読することで言語力を磨き、1冊の本を繰り返し読み何回か感想文を書かせることで論理的思考力を養おうというお話。飲料水メーカー「ホッピービバレッジ」の副社長兼看板娘、石渡美奈さんの記事でした。
日経ビジネス Associe ( アソシエ ) 2010年 3/2号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 日経BP出版センター
- 発売日: 2010/02/16
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記事の内容の前半〜中ほどまでを、箇条書きでまとめるとこんな感じです。
- 若者の言葉の使い方に疑問を抱くことが多いが、その原因は、子どものころからの読書量と文章を書く機会が圧倒的に減っているのではないか?
- コミュニケーションの手段として「話し方」ことは、社会人に必要なスキルのひとつではあるが、話す訓練だけでは語彙は増えないし論理的思考力も養われない。
- 例えば、口語体のメールって…
- 例えば、仕事の報告をだらだらしゃべられても…
- 結局は、要点をまとめて書く・話す、誰に向けて書く・話すのかという考えを教わる機会がないのではないか?
- 生真面目な人ほど細かく一生懸命に伝えようとするが、その結果相手に伝わりにくい話や文章になる
- 齋藤孝さんと藤原正彦さんの対談を読んだ。
- 「話す力をいくら磨いても論理的思考力は身に付かない」
- 言いたいことを原稿用紙5枚ほどにまとめて書く力をつけることが大切
- そうすれば、3分のほどで伝えられる力が備わる
という背景があって、最初に書いた内定者研修を行ったそうです。課題となる本は次の2冊で、1ヶ月で10回読み、1回目読んだときと10回目読んだときにそれぞれ感想文(レポート用紙2枚程度)を書いてもらったそうです。
- 作者: 田坂広志
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 外山滋比古
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ここでの大事なポイントは、同じ本を繰り返し読む(精読)し言語力を身につける、2つの感想文には違いがあるはずで自己成長の可視化にもなる、ということです。今後は、内定者だけでなく社内勉強会でも同じような方法を検討しているそうです。
さて、「同じ本を繰り返し読む」というのは、少なくとも、自分の職場の学生にもぜひやってみてほしいと思っています。ただ、きっかけやある程度の強制がないといけないでしょうから、授業のなかで上手くできると面白いと思います。
たくさんの本をいろいろ読んで感想などをまとめるのも良い方法だとは思います。ただ、最近職場の卒業研究の発表を聞いたり担当の先生の苦労話(汗)を聞いたりすると、まずある程度の語彙力を身につけるのが大事かなと、最近考えています。数は少なくてもよいので、学生にお勧めできる本の文章を頭と体に染みつくぐらい繰り返し読むのは、語彙力(言語力)を定着させるには一番確実な方法ではないかと思うのです。
論理的思考力(ここでは要点をまとめる力)を養うは、とにかくアウトプットする回数を多くすることが近道ではないでしょうか。感想文は一番手軽にできます。Twitterも悪くはないのでしょうが、140字にまとめるのは、感想文がある程度書ける人がよりまとめる力を養うためのものだと思っています。それほどの分量ではない、レポート2枚程度というのがちょうどいい文章量だと思いますし、何かをまとめて伝える練習をするにもちょうどいいスペースだと思うのです。