本当の目的がはっきり見えない

青山学院大学ソフトバンクが提携して、iPhone 3Gを活用した教育と研究を進める協定を結んだそうです。とりあえずは1学部(社会情報学部)だけではじめて、徐々に学内に広めていく予定だそうです。

今回の取り組みは、同大学の社会情報学部が目指す、モバイル・ネット社会を支える人材育成の一環として行われるもの。同学部の学生と教員全員にソフトバンクモバイルiPhone 3Gが配布され、GPSなどを利用する出席通知アプリから、復習のための動画配信(ポッドキャスト)、プラットフォームとしてのiPhoneアプリApp Storeの研究、アプリやシステムの開発など、カリキュラムの内容まで深く関わる形で活用される。

青山学院大学とソフトバンク、社会情報学部にiPhoneを導入

とにかくスケールの大きな話ですね。これまでいくつかの学会や研究会で、iPhone 3GiPod touchを活用した教育実践の話を聞いたことがありますが、これは授業や学科レベルの話。ここまで大がかりな取り組みは、少なくとも国内では初めてでしょう。iPhone本国のアメリカでは似たような事例があるかもしれませんが。
この協定で気になるのは、大学とAppleじゃなくて、大学とソフトバンクとなんですよね。つまり、大学にとっては通話できるモバイルが対象なんでしょう。大学が通話料や通信料を負担するので、優良通話料と通信料の一部は学生の負担だそうですが、結構使っても学生の負担額はかなり少なそうです。
他の大学では…もう似たような取り組みは難しいでしょうね。もしかするとドコモがBlackBerryを使って大学と連携する可能性もあるかもしれませんが、これはすでにアメリカでは企業での利用での実績が多いので、あまり目新しいものではないかもしれません。

後、今回のニュースで気になったのがひとつ。

今秋から、代返防止のため位置情報機能を使って出席を申請するシステムを開始。資料や教材のほか、授業の様子を収録した放送を配信する予定。学生によるシステム開発も行うという。

http://sankei.jp.msn.com/life/education/090514/edc0905141752003-n1.htm

これだけのツールを代返防止の為に使うのはもったいないと思うんですけどね。もっと大学での教育に役立つアプリを開発してもらい、その実用性や教育上の効果を実証するような取り組みをしてもらいたいものです。