天岩戸を開けるには踊りだけでは足りない

研究の前段階で重要なのは文献調査なわけで、OPACやらCiNii、はてはGoogle Scholarで探したりするわけですが、「これだよ、これ」って文献に限って、有料だったり他の図書館に問い合わせしなきゃいけなかったりして、ややこしいんですよね。まぁ、そういうもんだといえば確かにそうですが、これだけ情報技術が発達しているのに、学術論文(とくに日本の)を手に入れるにはまだまだアナログな手段を使わなきゃいけないことが多いです。

そんななか、id:keitabandoさんらが「myopenarchive.org - このウェブサイトは販売用です! -&nbspmyopenarchive リソースおよび情報」という活動に取り組まれている記事が、毎日新聞に載りました。「眠っている学術論文や研究成果を投稿・共有するサイト」です。バックエンドにScribdを使って、投稿されたファイルをFlashに変換して容易に閲覧できるようになっています。

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 開発・設立者は名古屋市の大学職員、坂東慶太さん(38)。研究者や学術情報の専門家ではないが、勤務先の大学で知人の大学院生に論文をもらおうとして、「印刷しないと渡せない」と言われたことが開発の契機になった。3人の仲間とボランティアで運営している。

 坂東さんは「研究成果は有名な学術雑誌の掲載論文だけじゃない。院生の博士論文や大学の紀要、企業の報告書、授業で使うレジュメも公開すれば価値が出るはず」と言う。多くの学術雑誌の論文は同分野の研究者が内容を審査する「査読」を経ている。しかし、MOAは査読なしで研究者自身が公開する。「査読なしの情報も学問の情報交換の中では重要だと思う」と説明する。逆に、読者が論文にコメントを付けたり、星印をつけて評価するなどネットならではのブログ風の機能を設けた。

http://mainichi.jp/select/science/news/20090322ddm016040034000c.html

「星印」ってのははてなスターですが、タグをつけられたり、投稿者の情報も分かったり、いまどきのウェブサービスらしさはばっちりです。最近国立大学や一部私立大学で、機関リポジトリを立ち上げ、紀要や報告書などを中心に学術論文が公開されつつありますが、使い勝手はまだまだなので、これから機関リポジトリを立ち上げられるところは、ぜひ参考にしていただきたいと思います。