型を侮るなかれ

学生の書く文章、たとえばレポートなんかを見ると「作文っ!?」と思わせられるのが結構あります。また、文章としてはうまいんだけどレポートになっていない、何を書きたいのかわかりにくものもあります。つまり他人に読ませる文章、論理的な構成がある文章が書けないんですよね。
では、論理的な文章を書くにはどういう練習や学習をすればいいのか?
それは、この本を読んでもらうのが一番でしょう。「クイズ文」という型から論理的な文章を書くために必要なポイントが身に付ききます。

と、この本に書かれている「クイズ文」風に書き始めてみましたが、要は文章を『問題・結論・理由』という基本の型をおさえて書くことで、文章を書いた人と読んだ人とが一つの問題意識を共有して、ある結論に導くことができるというのがポイントなんです。
もちろん、この形式はレポートや学術論文なんかでよくつかわれている型ですよね。個人的には、こういう型を身につけられれば、大学1年生でも立派なレポートが作れると思います。本書では、この型について、型の解説や型がもたらす効果、いわゆる感想文や日記など事実と感想にもとづく「日記文」との違い、ディベートが「クイズ文」にもたらす効果などが豊富な例題とともに解説されています。また、最後の章では実際にクイズ文を書く練習もあります。
著者の大学での授業の経験が行かれた内容になっていて、内容も文章も大学1年生でも高校生でも読んで理解できるようになっていると思います。もう少し繰り返し読んで、そのエッセンスを来年度の授業に生かしたいですね。