教育関係でもWikiはわりと使われている、目立ってないけど…

先週末の自分の発表にも、Wikiが重要な役割に担っています。また、ほかの方の発表でも、Wikiが出てくるものがいくつかありました。結構使われているんですよ、教育関係で。ただ、共同作業のためのツールとしての期待が大きすぎて、必ずしも予定どおりに使えていなくて、あまり公言されていないのかも知れません。id:yomoyomoさんが、WIRED VISIONに書かれた記事を読んでそう思いました。

日本でもこうした本はあるのかもしれませんが、教育現場で有効にブログや Wiki といったツールが主体的に活用されてる話を聞かないのは残念です。

http://wiredvision.jp/blog/yomoyomo/200812/200812101400.html

そんなことないんですよ。むしろ、昨年から今年にかけて、教育と情報関係の学会では、Web2.0志向のお話が結構あって、「お腹いっぱい」になるくらいです。全体的に、Web2.0志向と教育の関係をうまく消化できていない気はします。

あと、yomoyomoさんの記事にすごく共感できるところがありました。「Wikiリテラシー」といいう造語をyomoyomoさんは提案されていますが、まずは個人のためのWikiからはじめて、そのあとクラスやグループでの共同作業にWikiを使うというながれは、Wikiを本当の意味で活用するためには、無理なくWikiの本質を身につけることができる良い方法だと思います。

ワタシが考えるのは二段階で、まずは個人用の Wiki でその人にとってのストック情報の編集を学ぶ段階、そしてクラスなどメンバー同士を知った環境でその集団にとって有益な情報をまとめていく段階からなります。

ブログに代表されるフロー情報のパブリッシングは割と子供たちにもなじみやすいのではないかと思いますが、自分にとって意味のあるトピックについて自分の言葉で情報をまとめていくのは日記を書くのより難しいでしょう。そして、それができるようになったら、比較的小規模のグループ内で共同作業によるライティングを実践し、そこで他者とお互いが所属するコミュニティにとって共有すべき情報をまとめる技術を学ぶのです。

http://wiredvision.jp/blog/yomoyomo/200812/200812101400.html

Wikiがらみの発表で良くあるのが、「Wikiで共同作業やってみました」「Wikipediaみたいに用語集つくってみました」というものです。いきなり敷居の高いことをしているなぁと思っていました。また個人的には、Wikiを使って書くことで、文章を書き構成する能力を育てることができるんじゃないかなぁと思っています。

まずは、yomoyomoさんが紹介された本を読んでみたいと思います。こういう本は確かに日本ではあまり出ていない気がするので。

Wiki Writing: Collaborative Learning in the College Classroom

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