声が大きけりゃいいってものでもない

自分の研究活動で、「情報倫理」、最近は「情報モラル」といったほうがいいかもしれませんが、そんなことをしています。で、今日のニュースで情報モラルつながりで気になったのがありました。橋本知事で有名(?)な大阪府教育委員会が、大阪府内の公立小中学校への携帯電話の持ち込みを禁止するそうです。私には、その理由がなんか理解できませんが…

 大阪府教委は3日、公立小中学校への児童生徒による携帯電話の持ち込みを原則禁止する方針を明らかにした。政令指定市の大阪、堺両市を除く市町村教委に年度内に通達を出し、徹底を呼びかける。府立高校でも校内使用を原則禁止する。文部科学省は携帯使用の校内ルールの明確化を求めているが、都道府県単位で一律に禁止を打ち出す例は「聞いたことがない」という。

 方針に反した児童生徒の携帯は学校で預かることにする一方、登下校時の防犯上の理由などから保護者から希望があれば持ち込みを認める。

 府内では公立小学校の88%、中学校の94%が持ち込みを禁止しているが、携帯メールや学校裏サイトへの書き込みによるいじめが絶えず、携帯の使用に伴う集中力の低下も目立つため、改めて禁止を掲げることにした。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200812030064.html

一律禁止するけど個別相談もOKなんてしたら、学校側の負担が大きすぎやしませんかね。たしかに、携帯電話の使い方の問題として裏サイトやいじめの問題はあると思います。でも、学校に持ち込ませないからといって、それが解消するなんて思ってたら大きな間違いなのではないでしょうか。
それに、どうも携帯電話の使用と学力のことを関連付けているのがもう一つの理由のようですが、学校に持ち込むことと学力の間、なにかきちんとした事実とか関係があるのか、すごく疑問です。

 橋下徹知事もこの日の定例会見で「異論、反論あるかもわかりません」としつつ、「携帯電話への過度の依存は学習、健康の妨げになる。ルールを決めたら守らせるのは家庭、保護者の責任だ」と理解を求めた。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200812030064.html

橋本知事のコメントも、なんともよくわかりません。府や教育委員会側が決めたルールなのに、守らせるのは家庭や保護者の義務なんて、違和感を感じます。今課題となっているのは、学校生活も含めた日常生活全体での子どもの携帯電話の利用とそれに関する家庭や親の意識や行動の問題だと思うのです。それからすると、なんか斜め45度ズレた発言に聞こえてしまいます。

今回の発表に関連するニュースとしては、昨日発表された府教育委員会が行った携帯電話の利用に関する調査があるようです。ただ、ニュースを読んだ範囲では、なんでも学力と結びつける必要が本当にあるのか、ちょっと疑問に思ってしまいました。

 中高生の4人に1人がメールを1日に31通以上送信するなど子どもたちに「携帯電話依存」が広がる実態が、大阪府教育委員会の調査で3日、明らかになった。今年7月、府内の公立小2年から高3まで約1万3600人に調査した。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008120390165940.html