インターネットリテラシと情報リテラシの差はどこにある?

以前から、「インターネットの教科書をつくる」と発言していた、MIAU(インターネット先進ユーザーの会)が、先日インターネットリテラシ読本「”ネット”と上手く付き合うために」をPDFで公開されました。クリエイティブコモンズの「表示・継承」ライセンスで公開されているので、MIAUの名前を表記すれば、無償で複製・配布ができます。

MIAUとしては、今回のは序盤にあたるもので、教育現場からのフィードバックを得ながら、読本の充実を図りたいそうです。

情報リテラシー、情報モラル関係を仕事としてやっているものとして、読本の内容をチェックしてみました。これまでMIAUが主張してきたことには基本的に同意でしたので、表紙も含めて23ページのなかにうまくまとめたな、というのが第一印象です。
そして、この読本は、子どもたちはもちろんですが、今の子どもたちのネット事情が十分理解できていない保護者や先生方に向けた内容になっていることが「はじめに」から読み取れました。つまり、これから続々と発信されるであろうMIAUからの情報を理解してもらいやすくするための地ならしの役目を本読本が担っているのではないでしょうか。
本読本の内容自体は、「ネットは匿名ではありません」と「メールから少し離れてみよう」の2つで構成されています。文章もわかりやすいですし挿絵も多く、子どもから大人まで取っつきやすいようになっています。マンガによる事例紹介やメール依存症から脱出するための5つのステップなどは、こういう本を書いているものとして非常に参考になりました。
あらためて全体としての感想は、まず最初に緊急に訴えたいことがうまくまとまっており、今後の展開をさらに期待したいと思います。ただ、ネットの先駆者が陥りやすい、変にディープな話や説教じみた内容にはならないでほしいなぁ、とも思いました。