インストラクショナルデザイン

2月くらいに通読したんですが、最近に読み直しました。インストラクショナルデザインの教科書的な本です。

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック

本書では、インストラクションを、単に教えるということではなく、「学び手に何らかの行動を引き出すための仕掛け」と定義しています。そして、そのためにはデザイン(設計)が不可欠であると、最初に述べています。学び手と教え手と教える内容の中で、これを守ればうまく教えられるという、たくさんのルールを紹介しています。
本書の前半には、そのルールが「鉄則」として17個も登場します。全部あげるときりがないですが(苦笑)、いずれも納得の鉄則ばかりです。簡単にいえば、教える目的と内容を明確にし、学び手にとって必要な情報をモレなく提供し、工夫して教えるということでしょう。鉄則の中でも「学びでは常に正しい」というのは、自分自身改めて意識させられました。どうしても「あの学生は…で」とか言い訳しがちなんですが(汗)、そういうところに目を向けなきゃいけないんですよね。あと、正答と誤答をセットにして学び手に示す、というのも大きなポイントだと思います。
後半は、もう少し具体的なインストラクションのデザインが説明されています。他のインストラクショナルデザインの本に書かれているのと、内容的には大きな違いはないと思います。最後のほうに書かれた、著者の方が力を入れておられる手法(RULEG)については今ひとつ理解ができていませんが、インストラクションを改善するためのポイントが数多く紹介されています。
全体的には、教育が専門でなくても十分理解できる内容だと思います。多くのポイントや手法が紹介されているため、どれから手をつけたらいいかわからなくなりそうな気がしますが、一つひとつを自分の日ごろの授業に当てはめてみるといいのかもしれません。