目的がはっきりしないのにグラフなんか書いても駄目

今年の授業は先週からはじまっているのですが、以前の日記に書いたグラフの作成を扱った授業はなんとか昨年末にひと段落終えられました。結局は、いくつかの種類のグラフを取り上げて、どういう目的で利用するのか、注意すべきポイントは何かを説明しながら、実際に表計算ソフトで作成する実習をしてらいもいました。

しかし、こういうグラフの作成に関するトピックって、小中学校の段階できっちり習っているかなぁと思いきや、いろんな学生に聞いても習った経験がないという答えばかりなんですよね。ただ、都道府県とかでやっている統計グラフのコンクールなるものでは、それなりにしっかりとグラフ作成に関する説明とかあったりするんですが*1。こういうのと無関係だと知らないまま就職して、作るグラフは棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフの3種類くらいしか作れない人材になってしまうんでしょうか…

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そんなんじゃ困るなぁという人には、この本を読んでほしいです。以前紹介した『レポート・プレゼンに強くなるグラフの表現術 (講談社現代新書)』がやや入門的な位置づけだとすると、この本はさまざまなデータについてのグラフが豊富に載っていて、「こんな表現方法があるんだ」と気づかせてくれることが多いです。

統計グラフのウラ・オモテ―初歩から学ぶ、グラフの「読み書き」 (ブルーバックス)

統計グラフのウラ・オモテ―初歩から学ぶ、グラフの「読み書き」 (ブルーバックス)

学術関係からビジネスまで多くの分野で目にするグラフについて、描き方・読み方の注意点やポイントはもちろん、良いグラフを作るためのデータの扱い方や分析に関することまで書かれています。

私の授業では、正直この本の内容のレベルまでは必要ないのですが、今まさに苦しんでいるであろう(汗)卒業論文を書いている学生さんにはもっと前に読んでほしいなぁと思うのと、来年度には卒業論文を書くであろう学生さんには、自分の論文の目的や主張を明確にするためにも、読んでおいて損しない本だと思います。

*1:結構大学生にも勉強になるレベル。