思考のツールとしてコンピュータが活用できるようになってほしい

最近は授業以外のお仕事が立て込んでいて、なかなか本を読む機会もなかったのですが、何かのきっかけで「これはっ」という本に出会うこともあるもんですね。

今年から担当することになった、前期の統計の授業では「マンガでわかる統計学」シリーズに大変助けてもらいました。それらの本のマンガを描かれていたのが、井上いろはさんなんですよね。

マンガでわかる統計学

マンガでわかる統計学

ふっと思い立って(汗)、井上いろはさんのことをGoogle先生に聞いていたところ、出会ったのがこの本です。桜美林大学の「コンピュータリテラシー」という科目を担当させている先生方が、ご自身たちの経験から書かれた本です。もちろんマンガ部分は「井上いろは/トレンド・プロ」です。

最初の『監修のことば』にその経験談が書かれているのですが、その内容に私も同感でした。高校までに情報の授業を受けてきたのか、家庭へのパソコンやインターネットの普及のせいなのか、最近の学生は数年前の学生と比べて、タイピングも早いしOSの操作なんか教える必要もなく、難なく操作しています。アプリケーションソフトも「それなりに」使えるようです。でも、経験はあるのに「道具として使えているなぁ」と見られる学生にはあまりお目にかかったことはありません。
情報リテラシーの授業をしていく中で、ちょっと活用の範囲に入っていくと、つまずいたり困ったりする学生は少なくありません。また操作はできても用語の意味はわかっていない、情報モラルに欠けているところもあるなど、「大学に入って道具として使えるようにするには、やっぱりひと通りのことは教えて体験させないと」と毎年思ってしまいます。私の職場だけかもしれませんが(汗)

そんな経験をされてきた先生方が、「自宅でも苦もなくコンピュータが操作でき、思考のツールとしても活用できるように」という願いを込めて書かれています。道具として使うために必要十分な内容になっていて、マンガのストーリー性を生かした構成だけでなく、十分な図やイラストがあり、「これ一冊あれば大学1・2年生は大丈夫」という内容です。
もしかすると来年教科書に採用してもいいかもと思うくらい……って、実際採用するかは未定ですけど(汗)、まずは今期の授業の参考にさせてもらいたいと思っています。