良いもの・必要なものなら継続されるはず

政権が代わって、いろいろと政策が変わりつつありますが、教育分野でも大きな方針転換があるようです。昨年度から始まった、教員免許更新制度を2010年限りで廃止する方針を固めたようです。

 教員を続けるために10年に1度大学などで講習を受け修了することを義務づけている教員免許更新制をめぐり、文部科学省の政務三役は13日、10年度限りで廃止する方針を固めた。制度は今春始まったばかりだが、現場にはかねて「教員としての技量向上に効果があるかどうかは不透明」「ただでさえ忙しい教員がさらに疲弊する」という批判がある。文科省が同日開いた有識者との会合でも批判的な意見が強く、制度を続ける必要性がないという判断を固めた。

 文科省は、現在の制度下で講習を受講しなくても免許が失効することがないよう、11年1月の通常国会で関係法令を調整する考えだ。

http://www.asahi.com/politics/update/1014/TKY200910130370.html

個人的には、この方針転換には賛成です。記事に書かれているように、この制度が教員の技量向上につながるかどうか分かりづらいですし、現場の忙しさをあまり考えず「今のままの教員免許制度はダメだ」という考えだけから始まった制度にも見えるからです。つまり、この制度をすることで、具体的に講習を受ける教員やそして学校、生徒と保護者にどういう教育上のメリットがあるのか、個人的には全く見えません。

また、講習を行う大学もいろいろ大変で、ちょっと小耳にはさんでいる範囲では、大学側が行う講習と受講する現職教員とのニーズがあってなかったり、そもそも現場の教員が入手しにくい最新の教授方法や手段を学ぶという内容になっていない講習があったり、講習の最後にある中途半端な位置づけの試験に合格できないと免許の更新ができない(実質上は再度試験を受けられるようですが)など、いろいろな不備が目立つように見えます。

定期的に、現職の教員に講習を受けてもらって、最新の事情や理論・実践を学んでもらったり、情報交換や教員間・学校間の協働につながるようになると良いとは思います。また、20代で取得した免許をいつまでも持っていてよいかという議論があるのもわかります。ただ、繰り返しになりますが、結果として教育に関わる人たちにとって、良い意味での効果がある制度に変更してもらいたいと思うのです。