データに向き合い自分で考えることの大切さ

タイトル通りの本です。身近な問題を真剣に考え議論するために、「データ」という議論のための共通言語の読み方・扱い方をマスターしようという内容の本です。自分でデータを読んで考え結論を出すことができれば、見える世界が変わってくる。そのためには「データ分析=統計思考」ほと強力な武器はない、というのが著者の主張のようです。そういう意味では、最近はやりの「統計リテラシ」の本とは少し毛色が違うと思います。

不透明な時代を見抜く「統計思考力」

不透明な時代を見抜く「統計思考力」

内容は大きく分けて、「元データに当たること」「統計の基礎を知ってデータを読むこと」「データを利用して予測すること」の3つで構成されてて、それぞれの章では身近(この本の場合はウェブ)にあるデータを通して社会問題を考えながら、統計学的な考え方をマスターできるようになっています。

この本は統計学の本ではないので、この本だけで統計学全般を勉強できるわけではありません。はじめに書いたように、統計的な思考を身につけようというのが本書の目的です。ですから、大学1年生でも世の中のことがある程度分かるのであれば、本書を読めば十分「統計思考力」を身につけることができると思います。そして、マスコミの情報やまわりの意見に惑わされず、データに向き合い自分で考えることの大切さを理解できるのではないでしょうか。