やり方は違ってもコツは同じ

やらなきゃいけないことややりたいことがあるときには、TO DOリストを作ったりしますよね。まぁ、大体うまくいかないんですよね。最初のうちはリストにあることを処理できても、時間がたつうちに未処理が増えたりして、やる気がなくなってしまう…そんなことないでしょうか?私はよくあります(涙)
そんなTO DOリストに代表される従来の時間管理・仕事管理を、すこし視点を変えることでうまくいくようにしようというのが、本書で解説されている「マニャーナの法則」です。その神髄は、サブタイトル通り、「明日できることは今日やるな」です。

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな

この法則のポイントは、人の考え方や行動の特性をうまく利用することです。人が自分自身をコントロールすることが思いのほかできない。というか、期待できない。だから、その特性を押さえたうえで時間管理が上手くできる仕事のシステムを使うことを提案しています。
TO DOリストのようにいつでも仕事を追加できてしまう「オープン・リスト」ではなく、チェックシートのように仕事数に制限をつけた「クローズ・リスト」を活用しようというものです。自分が1日の中でできる数だけ、明日やることをリストアップしておく。そうすれば1日の計画が立てやすくなるし、突発的なことが起きても対応しやすい。ほかにもいろんなメリットが本書では紹介されていますが、明日まで待てないほど緊急の用件はそんなにないことが前提になっています。

あとこの法則を使うときに気をつけないといけないのは、この法則を運用する以前の問題として仕事を引き受けすぎないことです。手持ちの仕事をある程度厳選しなければ、どんな法則を使っても仕事は減っていきませんしね。
本書にはこのほかに、自分を成長させるような仕事や勉強は「ファースト・タスク」として毎日一番に手がけること、プロジェクト型の仕事はいくつかのステップに分けて緊急性の低い仕事から着手するほうがよいことなどが紹介されています。実はいずれも時間管理・仕事管理の本には書いてあることなんですが、「なぜそうしたほうがいいのか」という理由が論理的で具体的にかかれていて、納得できる説明になっているんが本書のいいところだと思います。

この手の本を読んでいつも思うことですが、たいていの著者は「本に書かれているとおりにやってね」と思っているんでしょうけど、個人的にはつまみ食いみたいに自分にあった方法から導入してみてもいいと思います。例えばこの本なら、「クローズ・リスト」を試すだけでも良いと思います。ただし、一定期間使うということと、本書の第2章にあるような基本的な考え方を理解したほうがいいと思うのです。そうすれば、その方法のいいところ悪いところ、自分に合うところ合わないところが明確になると思います。