きちんと裏を取ってみるとなるほどと思うことは多い

先日埼玉で起きた連続殺傷事件のことで、容疑者の行動でいくつか気になる点がありました。簡単に書けば「なんでそんなんできた(できてる)の?」ということが多いなぁと思ったんです。その一つが、「元官僚とはいえ、なんで自宅の住所まできっちりわかるんだろう」。

いや、情報倫理の教育に関わっているものとしては、「そりゃその気になればいろいろ方法はあるわなぁ」というのは頭では分かっているんです。今回の場合は具体的にどんな方法をとったのかが気になったんですが、昨日今日のニュースを見て「なるほど」と思いました。

出頭時の車内からはこの10人の自宅周辺の住宅地図のコピー約10枚と、実際に家を襲われた元次官2人を含む3人分の自宅周辺の地理を手書きしたメモがあった。図書館にある職員録などを閲覧して10人の住所を調べあげ、うち3人について下見をするなど具体的に計画。2人を対象に実行に移したと見られるが、こうした下調べをするうちに10人の名前を覚えたとみている。同容疑者は逮捕後の調べの中で、元次官宅の住所をどう調べたかを尋ねられ、「国会図書館などで古い名簿を片っ端からあたった」とも供述した。

http://www.asahi.com/national/update/1126/TKY200811250407.html

昨日テレビのニュースの資料映像で、厚労省職員の名簿*1が写っていて、図書館で調べたとの報道がされていました。で、今回は国立国会図書館の名前がでてきました。国家公務員という公僕であったことと図書館の機能にある2つの特徴、つまり公的もしくはそれに近い情報は開示され、それをきちんと蓄積し閲覧できる場所があるということが、悪い方向に使われてしまいました。

いろんな情報は、その気になれば調べることができる。このことを教育であからさまに教えてしまうのはマズいですが、まったく教えないわけにもいかないと思います。まさに情報を使う側の責任の問題なわけで、難しい世の中になったなぁとあらためて思いました。

*1:厚生省時代の名簿かもしれません。