ちょいとデキる人になるより、したいことがちょいとデキるほうが嬉しい

はじめにこう書くのもなんなんですが、この本って最初の二つの章で損してるように思えるんです。初めに私が読んだとき、最初のに二つの章は「これ、自慢話か?」と思ったりしたんです。有名国立大学の阪大に入れて、優良企業の松下電工に入れて、そして独立して成功。ご本人は自分は決してできる人間ではないと書かれているのですが、この部分から読んでしまうと、あとの肝心な「ちょいデキ」な部分の効果がイマイチになるような気がするですよね。

ちょいデキ! (文春新書)

ちょいデキ! (文春新書)

この本、最初に読んだのは半年以上前でして、感想を書きたいなと思いつつ、今だに中途半端な感想しか抱いていません。出版されたときは、ブログ界隈では「北斗神拳より太極拳」という本書のキャッチフレーズが結構受けていたと思うのですが。ライフハック系の本に分類できると思いますが、ほかのライフハック系の本と毛色が違うのは、あくまで「ちょい」としたことがたくさん紹介されているからでしょうか。

本書に書かれている「ちょいデキ」になるためのポイントは、いずれも本当に「ちょい」としたものばかりです。誰でもやる気になればやれるモノばかり。それも、普通のライフハック系やビジネス本なら、「かくあるべし!」と実行を強制するような内容が多いですが、本書の内容は著者自身の経験や体験をもとにしている分、具体的にこういうときはこうしてみたらいいよ、と軽い気持ちで「ちょいデキ」なことをお勧めしてくれます。

そして、個人的に本書を読んで感心したのは、紹介されている「ちょいデキ」は、決して変化球ではなく、直球であるということです。つまり、へんな小細工よりも、仕事や相手や私生活に真摯に向き合うという態度が、たくさんの「ちょいデキ」のなかから垣間見えます。

来年には社会人になろうという方、また、今年社会人になってちょうど疲れがやってきた方、もちろん学生の方でもかまいません。ちょっと手にとって、ページをペラペラめくって、そこに書いてあることをやってみてはどうでしょうか?