ポストイットを使って本を読み倒す

近所の図書館で借りた本です。本のタイトルを見ると「速読」がアピールされているように見えます。でも、そのあとの「速解」のほうが内容的にはしっくりくると思います。
ポストイットを活用して、本や新聞などから的確に情報を読み取ろうという本です。

もう一度書きますが、フォトリーディングのような速読が本書の目的ではありません。「はじめに」にも書かれていますが「書かれている内容を、スピーディーに読み、把握する」技術が目的です。その目的に欠かせないツールとして、ポストイットを紹介しています。
例えば、本から情報を読み取る場合、やることは簡単。「第1章 「ポストイット」であなたの仕事・勉強が劇的に変わる!!」に書かれていますが、次の3つの作業です。

  1. さっと目を通しながら、必要なところにポストイットを貼る
  2. ポストイットを張るときには、内容を3色ボールペンを使ってメモしておく
  3. あとで、用意した紙を台紙に見立てて、ポストイットを貼り移すことで、情報を書き出し整理する

著者は、毎朝ワイシャツのポケットに、2.5センチ×7.5センチのポストイット100枚を入れておき、いつでもどこでも、本だけでなく新聞でも雑誌でも、気になった情報をメモして貼り付けるそうです。

さて、これらの作業ですが、ほかの読書術・メモ術に共通する要素が見られるのです。
例えば、本を読む場合ですが、フォトリーディングと共通する要素があります。例えば「読む時間を決めておく」「問題意識を持ち、その問題に対する答えを探していく」「1度目の読みはさっと読みながらポストイットを貼り付けていく、つまりインデックスを作っていく」などです。これって、フォトリーディングの最初の数ステップに似てるんですよね。
あと、斉藤孝さんの「三色ボールペンを使った情報活用」に似ているのが、2度目の読みの段階。貼り付けたポストイットに、キーワードなどを書いていくのですが、色ごとに意味を持たせます。著者の場合は「プラスの情報は赤、マイナスの情報は青、一般的な情報は黒」だそうです。このあたりは、いろんなアレンジが考えられます。

そのほかにもポストイットを貼る向きや、ポストイットをまとめるときのポイントなども紹介されています。

個人的には、ちょっと前まで透明なフィルム上のポストイットを使った読書を最近までしていました。ただ、貼り付けていく作業は面白いんだけど、張るのにそこそこ時間がかかるし、貼り付けたのに満足して、2度目の読みをあまりしなくなっちゃうんです。それで、最近張るのをやめたのですが、やっぱり1度読めば終わりって状態になってました(汗)そういうことから、本書を読んで、情報のインデックスを作ることと、そこから情報を抽出して、自分で再構成することの大事さを学んだような気がします。とりあえずは誰でもできることなんで、来年のゼミに活用したら面白いかなぁなんて思ってます。