コンピュータを教えるすべての人に

向後先生(id:kogo)がすでに書いておられるのですが、この本、長いこと積読状態していて、ある程度読んだところで、また積読状態にしていました。『インストラクターのネタ帳』でも、よく紹介されています。向後先生が「自由記述式のアンケートから、次の授業改善のために直接的なヒントが得られる」と書かれているのを読んで、何か引っかかりを感じていたんですが、なるほど、(私が)この本を読んでいたからなのかなぁ。

パソコン・インストラクター完全マニュアル―コンピュータを教えるすべての人に

パソコン・インストラクター完全マニュアル―コンピュータを教えるすべての人に

最近はやりのインストラクショナル・デザインなどの本を読まなくとも、授業や講習をしている人にとっては、実践的でとても役に立つ本だと思います。私は、この本のいろんな箇所をかいつまんでは読んでいて、全部をすっきりと読んではいないのですが、「これ使えるかも」「こんなこと試してみようかな」と思って、実際にいくつか授業やその資料作成に導入しています。

実は、この本で最初に読んだのが「13 Windowsを教える」という箇所です。おそらく、Windows 95やもしかするとWindows 3.1を想定して書かれたのかもしれませんが、今でも参考になる内容だと思います。例えば、同じ操作をするのにマウスで操作したりショートカットキーを使ったり、複数の方法があります。それらを、教えるべきなのか、また教えるとすればどんなきっかけで教えはじめるとスムーズなのか、具体的に書かれています。

あと、個人的に役に立っているのが、教材の作り方ですね。「図表を入れる」「統一性をもたせる」などは、類似の書籍なら大抵書かれていると思います。この本には、さらに、読ませるために、またメモが取れるように「余白を作る」ことも、しっかりと書かれています。また、学習者次第ですが、手順や説明の「適度な詳しさ」についても触れています。いずれも、自分が作っている教材に、まだまだかもしれませんが、参考にさせてもらっています。