本当の意味での基礎からの情報リテラシー

奥村先生@三重大が書かれた、タイトルどおり「情報リテラシー」の本。先生のブログの記事で知りました。大きさもページ数もコンパクトで、これだけの内容を、よくまとめておられるなぁというのが第一印象でした。

基礎からわかる情報リテラシー―コンピュータ・インターネットと付き合う基礎知識

基礎からわかる情報リテラシー―コンピュータ・インターネットと付き合う基礎知識

コンピュータやネットワークの基礎から、文書作成・表計算・プレゼンなどの応用、セキュリティや情報倫理、プログラミングと、13章の中に幅広いテーマが書かれています。おそらく1章=1回の授業という構成で使えるようにされたのでしょう。操作説明は文章のみがほとんどですが、適切に画面のキャプチャや図があり、文章も読みやすく、内容は厳選されているなぁという印象をお持ちました。もちろん、用語解説や詳細な説明は、脚注やワンポイントとしてかかれており、不足感はそれほどありません。主として、Windows VistaやOffice 2007を使って説明がされていますが、MacLinuxOOoについても触れられており、従来のMS製品中心のリテラシ本とは異なり、本当の意味で基本的なリテラシを身につけさせたいという著者の意図が伺えます。
奥村先生の本を読んだことがある方ならわかると思いますが、先生らしい細かいアドバイスが、料理の隠し味のような役割を果たしていて、大変楽しく読めます。文書作成でのフォントの選択のところなんて、「そうそう」とうなずいてしまいました。ただ1点「これはどうかなぁ」と思ったのが、テキストエディタxyzzy」とグラフィックスソフトの「GIMP」の部分。おそらく三重大の情報教育環境では導入済みなんでしょうが、なぜ扱うのかがよくわかりませんでした。インストールやアンインストールと絡めて説明すればよかったのではないかとも思うのですが、どちからといえば、余計な部分だなぁと思いました。