高校と大学での情報の授業(1)

先日の日記で、「教科『情報』大学入試フォーラム」のことを取り上げました。で、昨日までの学会で、そのときの資料を入手。

ざっと読んでみると…ふむふむ…大学の期待と高校の現実の乖離が伺える。相互理解が必要ということでしょうか。

で、昨日までの学会の1日目では、その資料を参考に、今年度大学に入学した各大学の学生を対象に、教科「情報」に関するアンケート調査をして、結果と分析の報告があったのです。で、lionusさんのところで討論の部分を紹介してくださいました。NB先生に聞いたら、最後の結論しかいってくれなかったので、感謝です(笑)

ざっくり引用させていただきますと…

  • 知識が定着していないという結論に対し→「高校は(本来)大学の準備をするところではない」「大学入試で問われるなら準備しなくてはいけないと思うが・・・」「入れた後で”高校で勉強していない”と言われても・・・」

まさに乖離。

  • プログラミングを(教科「情報」の授業の中で)やって欲しいと言われても、学習指導要領には書いてないから・・・
  • 学習指導要領を橋渡し役とすることが必要:高校はそれにのっとって授業する/大学は高校で何をやっているのかという認識をもち、その上で大学での授業を計画・実施する

結局、学習指導要領か。大学側からすれば、難しい話。大学は、入試問題作成者は、ある程度は高校で何をやっているか知っているはず。その点では、他の教科と変わらないと思う。結局、小・中・高・大の各段階における「情報」とはどんな学問か、という問題を突きつけられているような気がします。

  • 知識だけでなく操作についても、1年の授業でやってそれっきり、だから忘れてしまうのも当然。

体感的には、まったく禿同。

  • あと、最近の基礎学力の低下問題も忘れてはいけない。「何で定着していないの?」→情報だけの問題ではないし、そもそもベースとなる基礎学力自体が低いのではないか。

たしかに。少し違うけど、調査報告に「偏差値と関係ない」という話がありましたが、これは真じゃないと思う。読解力、論理力、思考力、集中力(爆)と関係があると、個人的には思います。

  • ”情報”と名のつく学部・学科は志望者減少傾向(知らなかった)、一方、情報分野の求人は多い→必要な人材が育成できていない、小・中・高までの(コンピュータを用いた/情報の)授業が魅力的ではない?

ソースはわすれましたが、アメリカあたりではそうみたいですね。あれ?日本のことだっけ。減少している理由は、よくわからないですね。ライブドア事件などに関するITへの悪いイメージでしょうか。それに「理工系でなくでもIT長者になれる」こともばれたし、IT関係の大変さ(プログラミング云々ではなく、業界として)も知られてきたのもあるかもしれませんね。

  • 教科「情報」の教員養成(促成栽培?)の問題もあるのではないか(と、M先生吼える)。

さすがM先生。そのとおり!少なくとも情報について、あのレベルでええのか!?と個人的に思ってたので、納得。

うーん、討論の場にいたらもっと面白く感じたんだろうなぁ、残念。