あれもこれも取り上げたいけど、そう都合よくはいかない

うちの職場では来年度の授業のシラバスづくりが年明けに予定されているため、現在教科書探しをしてたりします。もちろん、教科書なしでプリントやら自分が作った教材やらでやる授業もあるのですが、「この分野を一応勉強したというならこれくらい知っとかないと」という内容の授業では、ある程度しっかりした教科書を使ったいいと個人的に思っています。あと、教科書を購入しておけば、その授業が終わっても学生にとって事典的に使ってもらえる(んじゃないかなぁという希望的)期待をしてたりします。

で、ここしばらく来年度も引き続き担当する、統計学の授業の教科書なのですが、2年目なので前任者と違う教科書を使ってみようかなと考えてます。そこで、Twitterで教えてもらった(?)本を一冊紹介。

医学・保健学のためのやさしい統計学

医学・保健学のためのやさしい統計学

統計学について、統計学を活用するという観点から、また数学的な観点からも、必要十分な内容になっている本です。統計関係の説明的なところと関連する表計算ソフト(Excel)での処理の例とが、上手く組み合わさっていて、「実際にはこういうデータを扱うんだ」「扱うための手法はこういう理屈なんだ」「で、実際にパソコンで処理するにはこうするんだ」と、具体的な説明がトピックごとに並んでいます。用語の説明とか多少不足している感じもありますが、説明文・数式・表・グラフがバランスよく載ってあって理解しやすくなっています。
演習問題も豊富で、ある程度医学・保健学よりの内容の問題になっていますが、専門外の人間が読んでもそれほど疑問に思うような専門的すぎる問題ではないので、勉強に役立つと思います。ちなみに解答もしっかり書かれていて、表やグラフ、Excelでの処理の例など、これまた役立つ内容になっています。
あと、付録も結構充実しています。面白いのは組み合わせの求め方を、しっかり図解で書いてあったり(おそらく著者の自作でしょう)対数や不等式の解き方の説明もあったりで、決して数学が得でない人でも本書を読み進めるための手助けがしっかりしてあります。

この他に、また購入していないですが、看護系での統計学のテキストの定番といえる本の第2版もなかなかよいです。とにかくデザインが良い。内容も無論よいのですが、読みやすいレイアウトと適切な表やイラストがあって、非常に良い出来の本だと思います。

ナースのための統計学

ナースのための統計学

個人的に、困っているのは、これほどいい本があっても自分の授業とちょっと合わない/足りないところがあって、そのまま授業で使うのは難しそうなことです。だいたい看護系の授業でもないし(汗)ひろーく、適度に深く浅く、統計の使い方を解説した決定版といえる一冊、ないもんですかね…