文句ばっかり言っていてもはじまらない

新型インフルエンザのため、兵庫・大阪の大学はたいてい授業はお休み。京都も一部大学ではお休み。ちなみに、このお休み中は、学生は大学に来てはいけないのはもちろん、就職活動、いわゆる就活も自粛するように大学側から通達されています。
そんな状態ですが、全国的にみれば今まさに就活まっさかりの時期。自分が受け持っている学生のなかにも就活をしている学生がいるので、『就活のバカヤロー』を読んでみました。

就活のバカヤロー (光文社新書)

就活のバカヤロー (光文社新書)

「就活は茶番ではないか」という著者らの考えから、就活の裏側を描き、さらにこれからの就活のあるべき姿を提案されています。具体的には、5つの章のそれぞれで、就活中の学生、大学、企業の採用担当者、インターンシップ、就職情報会社のそれぞれの実態を、取材をもとに明らかにしています。

本書は、就活のアドバイスをする本ではありません。タイトルにある「バカヤロー」は誰なのか、結局は全員バカヤローなんだけど、みんな「就活のバカヤロー」と叫びたいところをこらえながらも就活に向き合っているのが、著者らには「気持ち悪い」と映っているそうです。だから、青臭いかもしれないけど、提案として就活にかかわるすべての人たちが就活に踊らされずに、就活の在り方を変えるべきではないか、というのが著者らの提案です。

大学にいるものの実感として、確かに学生も大学も、就活に踊らされている面があると思います。正直、企業や社会に対して「就活、もっとなんとかしてくれよ」と思うこともあります。ただ、本書の就活中の学生や大学の実態も「なんだかな…」と思わされたりもします。社会全体的に地に足をつけて議論をする余地が少なくなっているのがも知れませんが、少しでも就活がよくなるように、考え議論し続けるが大事なように思いました。