必要、必要っていうけど、本当に必要なの?

先日あった、いつもの研究会で、企業が大学卒業生に求める能力についてのお話を聞きました。情報教育のなかで、企業に入ったらいろんな能力や知識が必要だから大学で身につけてほしい、という趣旨のお話だったんですが、大学で教えている人間として、この手の話は腑に落ちないところが多いんです。

これまで企業に入ってから教育してきたことの一部を大学のあいだに教育してくれ、と聞こえるんですよね。たしかに(少なくとも今の)大学には、ある種「就職予備校」的な機能がありますから、社会のしくみや仕事よりの専門性に関することも多少なりとも教育してたりしてます。でも、企業に入んなきゃわからないことまで、大学では教えられませんよ。決済がどーのこーの、報告書がどーのこーのは、企業でちゃんとやってください。そのためのOJTじゃないのかなぁ。

で、一番問題なのは、本当にそんな教育を大学でする必要があるのかということです。最近はてダやはてブで大学関係の話題が出ていますが、基本的に大学は「学問の府」だと私は思います。もし、そういう大学と企業のあいだの問題を解決するなら、別の学校を用意するべきです。それに、そもそもこういう話は、高専卒や高卒で就職する場合には問題にならないんでしょうか?ここが一番の疑問なんです。なんで大学卒で就職するときに問題になるんだろう。