出口をきっちりしろといっているが、入口もしっかりしろっていってなかったけ?

中教審中央教育審議会)の総会で、大学での成績評価や卒業認定についてもっと厳格にするように報告をまとめたそうです。懸念されていた、文科省による基準ではなく、学内で統一した認定基準を作らせるそうです。なんか、これでまた大学教員の時間が教育・研究以外のことに使われてしまうんだろうなぁ、と危惧しています。

ちょっと長くなりますが、ニュースの記事を引用します。大学に対して、卒業生の質の保証をしなさい、そのための評価基準を作りなさい、さらに入試での学力把握にも努めなさい、さらにさらにキャリア教育もやりなさい、と盛りだくさんの内容です。

大学全入時代」を迎えた一方、約半数の私大が定員割れし、地方の小規模大学を中心に経営難が深刻化するなど、大学の抱える課題は多い。学生の学力低下も指摘されており、中教審では平成19年3月から議論を進めていた。

 答申は、大学を取り巻く環境が急激に変化していることを踏まえ、「質の維持、向上の努力を怠るなら、淘汰(とうた)は避けられない」と厳しく指摘。「入りにくく、出やすい」とされる日本の大学に対し、卒業評価の厳格化を求めた。

 その上で、具体策として大学内で学力測定の統一した評価基準を策定、公表することや、客観性のある試験の実施などを挙げている。さらに、学力評価が甘いとされる推薦入試やAO(アドミッション・オフィス)入試にも厳格な学力把握の措置を求めた。

 さらに、学生の職業観や勤労観をはぐくむキャリア教育についても、教育課程の中に位置づけることを盛り込んでいる。

http://sankei.jp.msn.com/life/education/081224/edc0812241324009-n1.htm

えー、全部やってると、ほんと大学や大学教職員は、今いる学生への対応を横に置いといて、この中教審の提案のために相当時間的・人的コストを費やすことになると思うのです。いかがでしょう?結局、社会というか企業社会に対して都合のいい対処療法でしかないのでは、と思ってしまいます。もっと「大学がどうあるべきか」と大局からの目が必要に思えました。