授業が改善されたというのは何で測るのか?

先週末、東京で発表してきたのは、これまでにいくつかの学会や発表会で話してきた内容で、ある授業支援のシステム(というか環境)についての発表です。その内容を、当日のの発表会の形式に合わせて、発表内容を構成したのですが、その形式とは、ITを活用した授業において、問題提起をし、その問題への改善方法を示し、そしてその改善による成果を述べた後で、成果の発展性を述べる、というものです。ここまで書くと、どんな発表会かバレてしまいますが(汗)

さて、発表自体は非常に早口になってしまったものの、規定時間どおりに発表できました。で、質疑応答でフロアや司会者、運営側の方から質問をいただきました。そのなかで、最後に運営側の方からの質問で「その取り組みの結果、学生からいい評価を受けたとありましたが、それをやる前と比べてどう違いましたか?」と聞かれました。

正直、難しい質問でした。それは問題点事態が少し漠然としているのもあるのですが、「やる前」の状況をそんなに調べてないからです。あえて言えば、大学が行う授業評価アンケートのようなものがデータとしてはありますが、それはあくまで「その年度の学生たちが感じた感想」のようなもので、安易にそれ以降の年度の学生のデータと比べるものではないと思っています。だから、答えるとすれば「態度が○○のようになって」とか「○○しかできなかったのが、それ以上のこともできるようになった」とか、主観的な情報しか述べられないと思っています。

ちなみになんと答えたかというと、「難しい質問ですが…」と切り出して自己学習がうまくいっているようだ、と答えただけでした。ちょっと失敗かなぁ。

しかし、今回のような授業の改善成果を明確にしなければいけない場合、過程や結果ももちろんですが、改善の動機付けというか問題点をかなり明確にしないと、こういう発表会では話が通じにくいんだろうなぁと思った次第です。個人的には、改善成果を測ることは、まじめな話をするとかなり難しいと思っていたりします。データだけでもだめですし、教員の主観だけでも駄目ですし。授業全体を「見える化」するような工夫をして、改善点とその成果を誰の目から見ても明らかにわかるような、そんな工夫というか仕掛けが必要かもしれません。

そんなことを感じたのが、先週末の発表会の感想でした。