情報教育の可能性と教育の情報化への期待

今日はいつもの研究会で大阪へ。今日は、2つのお話を聞きました。いずれもちょっと考えさせられました。

  • 情報教育、とくに技術教育において教える順序は現状のままでよいのか?という話
    • たしかに昔は、プログラムを通して「ものづくり感」を体験することができたと思う。でもだからといって、動機付けとしては「ものづくり感」は重要だとは思えても、情報教育全体に通じるかどうかは、ちょっと微妙だと思う。
    • 議論の中でもあったけど、高等教育か初等中等教育かで、今回のお話に適合するかどうか決まるような気がする。個人的には、初等中等教育がふさわしいと思う。
    • お話の中でもあったけど、結局は「それを教育することによって、学習者がどうなるか・どうなってほしいか」という目的の問題が大きいと思う。確かに、例えばRuby on Railsとかで手っ取り早くWebアプリが作れるのは面白いと思う。でも、それがふさわしいかどうかは、対象、場面、目的しだいだと思う。
    • ただ、ワープロを先に教えるよりも、HTMLを先に教えたほうがいいという提案は、検討する価値があると個人的には思う。ただし、コンテキストが大事だと思う。
  • 初年次教育へのeラーニングの活用について実践のお話
    • 自分の職場でも初年次教育は課題になっているので、すごーく参考になった。というか、他人事ではなかった(汗)
    • でも、結局ゼミの時間を使うしかないんですよね。だからこそ、あれもこれもと内外からやってほしいことへの要望がよせられて、カリキュラムが肥大化してしまうのではないだろうか。
    • あれだけの分量と内容のテキストや問題を作られたのは、大変な労力だと思う。どこの大学でもできることではないだろう。作られた先生方には頭が下がる思いだ。
    • Moodleのメタコースの活用は参考になった。こういう使い方ができるのは、ある程度の規模での実施ならではかもしれない。聞いた限りでは、実施できている範囲では、eラーニングの導入は成功しているのではないかと思った。
    • その一方で、教員もそして学生も、MoodleなどのLMSにあまり慣れていないというのは興味深かった。それと同時にある程度予想した範囲でもあった。
    • 結局は、ゼミやら初年次教育やらをカリキュラム全体でどう捕らえるかというのが一番の問題だろう。そこへeラーニングという道具をどう組み合わせるのか、議論の中でもあったように、eラーニングにありがちな学習者の孤立を招かないための、オフラインの共同作業を上手く組み合わせてこそ、eラーニングの価値があるのだと思う。