情報って何だろう

アマゾンだったか、はてなダイアリーだっかたの評判を見て購入した本。タイトルどおり、「情報」とは何かということを、さまざまな角度から見つめた本です。はじめは読むのがつらかったんですが、中盤以降に引き込まれました。良書です。

情報って何だろう (岩波ジュニア新書)

情報って何だろう (岩波ジュニア新書)

この本に書かれているのは、「はじめに」に書かれているとおり、「情報は力なり」ということ。情報とは何かということから始まる、4つの構成になっています。シャノンの理論からネットワーク技術
といった「情報を扱う技術」、ワーテルローの戦いのニュースや航空会社の情報システムで見られた「情報の力」、ナチスプロパガンダオーソン・ウェルズのラジオドラマの影響に見られる「情報が世界を動かす」。歴史や場所は違えども、情報というそれ自身には何も力をもたないものが、人や出来事や社会状況によって、何かを変えたり人々に影響を与えてきたことが、よく理解できます。

そして、もうひとつのテーマである、「情報リテラシー」については、「情報の消費者」としての能力と、本書では位置づけて最後に述べています。情報の力を認識し、また、なぜ情報が生み出され、なぜ流通し、なぜそのような形態をとっているのか、裏にある人や社会の意図や経緯を読み取る力こそが、情報リテラシであると述べています。

岩波ジュニア新書からでているので、読者は高校生を想定しているようですが、ページ数といい内容といい、どの世代が読んでもゲップがでるくらい、充実しています。