NHKスペシャル「学校ってなんですか?」

子供が早く寝たので、見ることができました(汗)第1部と第2部の2部構成で、第1部は教育現場の実態の取材、第2部では文部科学大臣をはじめとする5名の有識者による討論でした。

第1部は、教育現場の実態。東京都江戸川区の公立中学の学校選択制兵庫県尼崎市の公立小中学校の教育への取り組み、福島県郡山市の公立中学での「ゆとり教育」と、3つの現場を取材。見てて、今の小学校や中学校の教育現場の大変さが伝わってきました。
学校選択制の結果、隣り合った中学校で人気に格差が生じてしまいます。人気があるほうは希望者が定員に対して4倍、人気のないほうは学区の3分の1は他の学校へいくという状態…尼崎市では、先生方の奮闘の様子が描かれています。不況のため地域の中小企業は打撃を受け、その影響を子供たちが受けてしまっている。親が忙しく、子供は勉強の相談もできなくて、わからないまま授業が進んでしまったり、進路を意欲的に考えられなくなってしまってしまう生徒がでてきてしまっています。そんな生徒たちに、先生はどう向き合うのか。郡山市の中学校では、授業時間が減ったのに「自ら考える力」なんてのを学習させるために、授業時間が足りずに宿題を出してしまう状態。生徒が充分に学ぶ時間がないのと同様に、先生も授業や採点、部活や保護者への連絡などで、時間的にも精神的にも余裕のない状態。まぁ、そういう方向で取材したんだから当然の結果なんでしょうけど、見てて暗〜い気分になりました。
なんか、教育に格差ができているなぁ、というのを痛感したんですよね。それも最初っから。学校選択制のところで、人気のある学校の先生が「教えやすいと思う」「みんな考え方が似ている」といったのが印象的で、その時点で痛感したんです。なんか、大学と似てるなぁと。人気のある大学(つまり難易度の高い大学)では、そういう傾向があると思うんです。反対に、人気のない大学では成績の良くない学生とか集まるんで、教えにくかったり、考え方がバラバラだったりします。大学のような大きなレベルわけが、狭い地区の公立学校でもすでに生じているんだなぁと思うと、自分の子供の将来どうしようかと悩んでしまいます。ホント。

第2部の討論は、「まぁあんなもんか」という感じ。教育再生会議のメンバー(文部科学大臣除く)が参加していると、おもしろかったかも知れませんが。スタジオでの討論も、一つひとつのテーマはそれほど議論されたわけでなく、みんな意見が言い足りない雰囲気があったと思います。なにより中継先の尼崎の中学校の校長先生と先生方がなんか討論に参加できていない感じでした。参加できていないというより、一人当たり1,2回しか発言できなかったし。討論そのものは、そんなにおかしくなかったと思います。個人的には、今の文部科学大臣は、わりとまともなことをいう方だと思っていますし、他の面々もそれほどきついことをいう人ではないと思いますし。ただ、他の人には経済同友会の北城さんに突っ込んでほしかったんですけどね。「学校を取り巻く地域の崩壊の一因には、経済界も関係しているのではないか」とか。

全体の感想としては、第1部は良かったけど、第2部は全然物足りない感じ。第2部は、もっと問題点を参加者それぞれの立場で提議してほしかったなぁと思いました。その点で、杉並区和田中学校校長の藤原和博は、さすが、終始きっちり持論を述べておられました。

あと、感想が書かれたブログへのリンクを載せておきます。みなさん、いろんな感想を書かれています。

訂正

第1部で紹介された中学校を「荒川区立」と書いていましたが、「江戸川区立」の間違いでした。訂正します。ちなみに場所はこのあたりですね。