マンガでわかるナースの統計学

オーム社の「マンガでわかる」シリーズの一冊。Amazonからのメールで知って、Amazonの書評を見て、思わず注文してしまいました。

マンガでわかるナースの統計学 -データの見方から説得力ある発表資料の作成まで-

マンガでわかるナースの統計学 -データの見方から説得力ある発表資料の作成まで-

職場にも看護系の学科はありますが、別に統計を教えなきゃいけないわけじゃないです。Amazonの書評のなかに、「統計の基本的な考え方を丁寧に解説し」「基本的な調査関連業務がこなせるだけの見識とスキルは身につく」と書かれていたこと。また、発表のコツや資料のまとめ方などが書かれている、と書いてあったことが購入の動機です。


さて中身ですが、マンガの量は適度ですし、絵柄もいわゆる「萌え」ではないので(苦笑)、とっつきやすいと思います。また内容も、ざっとひと通りしか読んではいませんが、丁寧にポイントを抑えて書いてあります。このシリーズの特徴である、「あまり数式を使わない」工夫をされており、具体的でわかりやすい、そして読者が納得しやすい事例を使って説明されていて、難しい内容の理解を大いに手助けしてくれています。「看護系」とテーマを絞っているから事例が具体的なわけではないです。どんな学生でも体験するかもしれない一般的な事例を扱っていますので、私のように「非看護系」の人間でも、安心して読めました。

中身ですが、データの収集からグラフの作成、検定や分析、最後に発表や抄録作成のポイントをまで、幅広く説明されています。統計の部分はわかりませんが、それ以外の部分は、それほど多くないページ数(263ページ)のなかで、必要十分な内容が丁寧に書かれています。個人的に1番気に入ったのは、最後の章の「発表のコツと発表資料の例」です。ここに書かれているような内容は研究者なら当たり前ですが、これから統計を使って研究しようとする人はあまりわかっていないことです。しかし、この本のようにきちんと書いてある書籍に研究の入り口に立っている人が出会うことは少ないと思います。そういう意味で、この本はすごく実用的だと思います。

まだ、ひと通り読んでみただけないので、内容の理解は不十分ですが、繰り返し読んでみたくなりました。また、練習問題とその解答もしっかりついている(!)ので、手っ取り早く統計的手法の勉強ができそうで、ほんと良書だと思います。