Winny開発者に懲役1年求刑

著作権法違反幇助の罪に問われたファイル交換ソフトWinny」の開発者・金子勇氏の論告求刑公判が3日、京都地方裁判所で行なわれた。検察側は金子氏に対し、著作権法違反の幇助により懲役1年を求刑した。

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/07/03/12541.html

さいきん、金子氏のメディア露出が増えていますね。ちょっと前の報道ステーションへの出演や毎日放送でのインタビュー、そして先日の読売テレビでのインタビュー。メディアはどういう問題意識を持って放送しているのか、よくわからない(むしろ疑問)なのですが。

スラドでもいろいろ議論されていますが、金子氏やその弁護士の先生がよくもちだす、包丁の例え。「包丁は、人を殺すこともできるのに、それを作った人は罰せられない。したがって、Winnyもファイル交換が目的であり、著作権侵害幇助が目的ではない。」という話ですが、なんか違うと思います。Winnyはその利用目的が、包丁に比べたら、もっと明確で範囲が狭くないですか?

包丁は、食材だけでなく、紙でも紐でも、そして人も切れます。「切る」という道具で、実世界での応用範囲は非常に大きい道具です。一方、Winnyは、PCやネットの中で「ファイルを共有する道具」であり、利用目的がはっきりしておりその範囲も狭い道具です。性質がまったく違う道具なのに、その2つを比べるのは、論理的におかしくはないでしょうか。また、インタビューを見ると「ユーザがこんな使い方をするとは思わなかった」と話しておられますが、Winnyが開発される前から、WinMXなどで違法なファイル交換が行われていたことは2chねらーなら周知の事実といってもいいはず。責任逃れにとんちんかんなことを行っているようにしか感じません。


ソフトウェアを開発するときに、それがどのように使われるか、すべてを想像するのは確かに難しいし、そういう問題によってソフトウェアの研究・開発が阻害されるべきではないと思います。しかし、現状を考えると「Winny」というソフトについては一定の社会的な責任を考えるべきだと思います。9月に判決が出るそうですが、最終的な結論が出るまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。しかし、金子氏側にはもっと毅然とした態度でいていただきたいと思います。