MS OfficeとOOo

今回、職場でのプロジェクトの作業上、OOoOpenOffice.org)を使わなくてはならなくなりました。「ならなくなった」と書くくらいなので、これまで使ったことはなかったんです。とりあえず、簡単に使ってみての感想としては、「ダウンロードのサイズ小さいなぁ」「結構頑張って、MS Officeに負けまいとしているなぁ」「でも、使いにくっ!」ということです。プライベートで使うことはないでしょう、ホント。

OOoは、フリーソフトとしては、悪いものではないのです。ですが、やっぱりMS Officeの模倣であることを想像させ、また、インターフェース全般があまり出来がよくないなぁと感じました。どういうことなのか、自分でもはっきりした言葉でしてきできなかったのですが、「Life is beautiful」の記事を読んで、「そういうことか」と少し納得できました。『ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)』という本の記述を使って、説明されています。

詳しくは、この本の第二章、「Analytical Tools and Frameworks(分析のためのツールとフレームワーク)」を読んでいただくのが一番良いが、あるマーケットを見たときに、既存の商品の「主要な要素(principal factors)」を抽出して、そこで真っ向から血みどろの戦いを挑むのが「red oceanの戦い」であり、逆にその要素から幾つかの項目を思い切って切り捨て、それとは別に新しい価値を生み出す要素を追加して、真っ向からの戦いを避けるのが「blue oceanの戦い」なのである。

 この観点から StarOffice/OpenOffice を見ると、今の戦略がどのくらい間違ったものかが良く分かる。ファイル・フォーマットにしろ、豊富な機能にしろ、"big fat client"なアーキテクチャーにしろ、全ての面で Microsoft Office の後追いであり、新しい価値を生み出しているようには見えない。この戦略は、まさにこの本で言う所の「red oceanの戦い」であり、資金力のある Microsoft にかなうわけがなく、結局は「安かろう悪かろう」のニッチ商品に収まるしかない。

MS Officeと同じ土俵で差別化をしようとしているんでしょうね、OOoは。だから、いくつかの機能やインターフェースについては「面白いな」と思えても、全体的に「まだまだ」と思ってしまうのかもしれません。オフィスツールとして、新たな軸を持ったソフトウェアに成長してほしいものです。新しい軸のひとつは、当然ネットワークを利用したものでしょう。